ランフラットタイヤとは?
ランフラットタイヤは、パンクしても一定の距離を走行できる特殊なタイヤです。通常のタイヤと比べてサイドウォールが強化されており、空気圧がゼロの状態でも安全に走行することが可能です。
ランフラットタイヤ交換の準備
ランフラットタイヤの交換には専用の設備と高度な技術が必要です。まず、以下の準備を行います:
専用タイヤチェンジャーの準備
ランフラットタイヤ専用のタイヤチェンジャーを使用します。通常のチェンジャーではサイドウォールを損傷する可能性があります。
ホイールの確認
ランフラットタイヤには専用のホイールが必要です。交換前にホイールの状態を確認し、適切なものを使用しましょう。
交換作業の手順
タイヤの取り外し
- 車両のリフトアップ:
- リフトを使って車両を持ち上げます。車の取扱説明書に従い、正しいリフトポイントを使用してください。
- ホイールの取り外し:
- ホイールナットを緩め、ホイールを取り外します。ホイールナットは対角線上に少しずつ緩めていくとスムーズです。
- ビードブレーカーの使用:
- ビードブレーカーを使ってタイヤのビードをホイールから外します。ランフラットタイヤのビードは特に強力なので、慎重に作業を行います。
- ビードブレーカーのアタッチメントを装着し干渉による事故リスクを減らします。
- 内部にセンサーが装着されている場合がありますので干渉しないように注意します。
- チューブレスバルブも特殊なものが装着されていますので干渉しないよう特に注意します。
- タイヤチェンジャーのセットアップ:
- タイヤチェンジャーにホイールをセットします。ホイールがしっかり固定されていることを確認し、チェンジャーのアームを正しく配置します。
- ホイルのリムを守るリムガードが販売されていますのでできれば装着して作業を進める方が安全です。
- タイヤレバー使用の場合はアタッチメントやなければホイルとの干渉を防ぐ工夫をします。
- 予備準備としてタイヤレバーを倒す際タイヤ裏のビードとリムの間に隙間が無いと大きな力が必要になるので段ボールで自作のスペーサーでもいいので長さ3cm程のものを4か所位かませておくと作業がスムーズに進みます。
- タイヤの取り外し:
- チェンジャーのアームを回転させてタイヤをホイールから外します。ランフラットタイヤは硬いので、ゆっくりと力を入れながら外していきます。
- タイヤレバーを倒す際、タイヤレバーの対面の部分のタイヤを押しながらレバーを倒すとスムーズに進みます。
新しいタイヤの装着
- ホイールの準備:
- ホイールを清掃し、リム部分に潤滑剤を塗布します。これにより、新しいタイヤがスムーズに装着できます。
- タイヤ交換は金属とゴムの摩擦を制する事がコツなのでタイヤのビードだけでなく、ホイールにも十分タイヤクリーム等を湿布します。
- 滑りやすいようにとCRC等の油を使用するのは絶対にNGです。
- 新しいタイヤのセット:
- 新しいランフラットタイヤをホイールにセットします。このとき、タイヤの回転方向を確認し、正しい向きで装着するようにします。
- タイヤが固いのでホイルに対してタイヤのセットに角度をつけたくなりますがあまり角度をつけると作業性が悪いのでほどほどの角度にセットします。
- タイヤローテーションがある場合はしっかり確認し組みなおし無いようにする
- タイヤチェンジャーの使用:
- タイヤチェンジャーのアームを使用して、新しいタイヤをホイールに装着します。均等に圧力をかけながら、タイヤがホイールにしっかりフィットするようにします。
- タイヤチェンジャーは一気に回すのではなく少しづつ確認しながら回し、ビードが上がって来たところを少しづつ抑えながら進めていく
- ビードの確認:
- タイヤのビードがホイールに正しく収まっていることを確認します。ビードがしっかり収まっていない場合、空気漏れや走行中のトラブルの原因となります。
バランス調整
- バランスマシンの準備:
- ホイールとタイヤをバランスマシンにセットします。ホイールがしっかりと固定されていることを確認します。
- バランス測定:
- バランスマシンを作動させ、ホイールとタイヤのバランスを測定します。ランフラットタイヤは重いため、特に正確なバランスが必要です。
- ウエイトの装着:
- 測定結果に基づき、ホイールにウエイトを取り付けます。ウエイトはホイールの内側と外側に均等に配置し、バランスを取ります。
- 再測定:
- ウエイトを装着した後、再度バランスを測定します。必要に応じて、ウエイトの位置を調整し、完璧なバランスを実現します。
交換時の注意点
適切な工具の使用
ランフラットタイヤは硬いため、適切な工具を使用しないとタイヤやホイールを損傷する可能性があります。専用の工具を必ず使用しましょう。
プロの技術者による作業
ランフラットタイヤの交換は難易度が高いため、経験豊富な技術者に依頼することをお勧めします。プロによる作業であれば、安全かつ確実に交換作業が行えます。
日頃のトレーニング
ランフラットタイヤ交換は難易度が高いため、タイヤ卸業者等に依頼し練習用タイヤを準備し、日ごろからのトレーニングをすることをおすすめします。
ランフラットタイヤ交換の費用
ランフラットタイヤの交換費用は、通常のタイヤよりも高額です。タイヤ本体の価格は20,000円〜50,000円程度であり、交換作業の追加費用も発生することがあります。
まとめ
ランフラットタイヤは安全性が高く、パンクしても一定距離を走行できるメリットがあります。しかし、交換には専用の設備と技術が必要で、費用も通常のタイヤより高くなります。適切な準備と注意を払い、プロの技術者に依頼することで、安全でスムーズな交換を実現しましょう。
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タイヤ・オイル・バッテリ・洗車収益向上サポーター。
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